WOWOWのドラマから思う、今後の動画視聴の行く末
地下ごろWOWOWのドラマにハマっている。
地上波のドラマを見ていなかったわけではない。ご多聞にもれず、「半沢直樹」は2シリーズとも見たし、岡田くん主演の「白い巨塔」も全て録画してちゃんとみた。
Amazon Prime Videoで配信されていた「沈まぬ太陽」(上川隆也主演)が最初だったと思う。
3時間の映画に凝縮されたこともある本作を、1話50分、全20話!で描きろうとするのだから、大変な長編作だった。
最初淡々と続くドラマに少し物足りなさを感じたが、見続けると丁寧なドラマ、演技、そして原作を無理に改変しない脚本に好感を覚え、引き込まれていった。
そこではたと気づいた。普段見慣れていた地上波ドラマがいかに大袈裟で、耳目をひくように作られていた、ということを。
時に過剰ではないかと思う演技(あれはあれで一種の芸みたいなもので良いが)。CMを意識したストーリー展開(CMを挟んで物語を進行させるようにうまくつくってある)、そして原作では穏やかだった部分の、劇的な展開への改作。
これはどれもテレビ上では当たり前のこと。なぜなら不特定大多数の一般視聴者を引き込むにはある種の「仕掛け」が必要だから。そして視聴率の上昇はそのまま広告の価値UPに転化され、テレビを続ける上での重要な収入源になる。
しかし、コロナでのデジタル化の進展、スマートフォンの高機能化に伴うNetflixやU-NEXTといった有料動画配信は時代のニーズとも合わさり、着実に登録者数を増やしていった。みな、それが見たいからお金をはらう。製作者側はその時々、瞬間の視聴者を捕まえるのではなく、良いと思った作品を作り続けることで、視聴者の支持を得る。好循環を産んでいるとは言えないだろうか。
仕事や子育てに追われる自分にとって、好きな時間に見ることができる有料配信はとてもありがたい。スキマ時間に一時喧騒を忘れて別世界に没頭することができる。テレビでは今は難しい。
今後のテレビとインターネット、そして動画コンテンツのあり方について考えさせられる事例となった。
TBSテレビドラマ「新しい王様」
https://www.paravi.jp/static/atarashiiosama/
テレビ業界の裏側を赤裸々に描き、それに辟易とする主人公(藤原竜也)が訴えるのは「テレビとインターネットの融合」。現実世界では見逃し配信が開始されているが、このさきどうなるか・・・。
NHK復調気配…主要テレビ局の複数年にわたる視聴率推移(2021年11月公開版)(不破雷蔵) - 個人 - Yahoo!ニュース
テレビ視聴率推移がまとめられたサイト。2020年上期は巣篭もり需要で増加したが、長期間で見ると下がっている。ここからどう巻き返すか。
広告費の推移表。メディア4媒体(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)は毎年微減。インターネットが急進しトップに。数年前にインターネット広告がいずれテレビを抜く日も来るかなあ、と思っていたら、あっという間に抜いてしまった。フェイスブックが手がける「メタバース」が実現すれば、ますますこの勢いは止まらなくなる。