スガワラ’s blog

日々思うことを書き連ねます。

思考をうながす作品は、変化するきっかけとなる

先日、SmartNewsの記事で取り上げられていたので、久々に「機動警察パトレイバー the Movie2」を見た。

パトレイバー」シリーズを良く知っている人は、おそらくいま30代〜50代だろう。

作業用ロボット「レイバー」の犯罪抑止のために設立された警視庁特車2課「パトレイバー」隊を描いたアニメ、漫画で、ロボットものと思いきや派手な戦闘シーンなどはあまりなく、それよりは企業の思惑や、テロなど社会的問題を描いた作品といえる。

本編が終わったあともいくつか劇場版が作られたが、この作品は劇場版の2作目。

あらすじは自衛隊でレイバーによる軍事運用を目指したが、組織の壁に阻まれうまく行かず、部下を多数戦死させてしまった柘植行人が、日本で大規模なテロを画策する。それを阻もうとする特車二課の南雲、後藤両隊長とのドラマだ。

この作品が作られたのは1993年。この2年後に地下鉄サリン事件という未曾有のテロが東京で発生している。首都東京のテロに対する弱さ、組織の脆さ、そして警察と自衛隊の日本における不安定な位置付けを描いており、その先見性に唸らされるものがあった。正直、小学生の時に見たが、当時は面白い、と思ったが内容について考えさせられるほど自分の頭が追いついていなかったと思う。

今コロナで、日本の対応能力の欠点、が炙り出されている。組織を優先するあまり、優秀な個人が埋没してしまう。例外を認めず、突出した場合は下に合わせるような圧力が働く日本型組織の悪いところが表出している。

表出しているということ、これを機に改善していけば良い。思うに、他人への寛容さが足りなく、自己責任を取ることができない状況(責任の曖昧さ)が閉塞感の元凶の一つではないかと感じている。

考えさせられる作品というのは、芸術だな、とこのような映画を見て思う。20年経っても色褪せないのだから。

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